〜『中古住宅』を売却する流れ〜全体像の把握!!

これまで不動産の売買を経験された方は、大まかな流れを把握していると思いますが、全く経験がない方にとっては、『幾らで売却できるのだろうか。』『 どのくらいの期間があれば売れるのだろうか。 』『 そもそも売れるのだろうか。 』 など、『不安』『疑問』を抱いていると思います。

『 不動産 』 の売買は、生きている中で最も大きな買い物と言えるため、慎重になるべきであり、『税金』『法律』などの専門知識が関連することから、専門職(宅地建物取引士や税理士、司法書士など)と連帯することで取引を進めることになります。

この記事では、 上記のような『税金』や『法律』などから生まれる『不安』や『疑問』などを解消し、少しでも『納得』『安心』できるマイホームの売却ができるよう、売却の流れを解説させていただきます。

STEPごとに分けて書いてありますので、ゆっくり読んでいただければ幸いです。

【 Step1 】 スムーズな売却に向け、『諸費用』や『ローン残債』などを確認する!

1-①. 売却時にかかる、諸費用を把握する!

不動産を売却する際、売却金額の全額が手元に残ることはほぼあり得ません。
所得税住民税などの税金や抵当権抹消費用、仲介して下さった不動産会社への仲介手数料、司法書士への報酬など、多くの費用がかかります。これら諸費用を差し引いた金額が手元に残ることになります。

 住宅ローンの残額がある方は、手元に残る残額で完済できるのか。買換えを考えている方は、買換えのための自己資金として足りるのか。しっかりと残額を把握し、資金計画をすることが大切です。

売却時にかかる主な諸費用
税金 ・印紙税
・譲渡税(所得税、住民税)→※譲渡益がある場合
・仲介手数料の消費税
ローン関係 ・抵当権の抹消費用
・司法書士への報酬
仲介手数料 ・売却価格×3%+6万円(売却価格が400万円以上の場合)
その他 インスペクション費用(希望による)
瑕疵(かし)保険費用(希望による)
・引越し費用
・測量・建物解体費用等(必要に応じて)
など

 

1-②. ローンの残債がある場合は、完済できるかの確認を!

金融機関から借入をして住宅の建築(もしくは購入)した方が売却を考える際、 売却後の残額で住宅ローンを完済できるかを確認する必要があります。

住宅ローンの残額を完済し、住宅に設定されている抵当権の抹消をする必要がありますが、 売却後の残額で借入額を返済出来ない場合、何かしらの方法で資金を調達しなければなりません。
住宅ローンの借入がある方は、残額が幾らあるのか。幾らで売却すれば足りるのかを把握することをお勧めします。

逆に譲渡益(利益)がある場合には、その利益に対して譲渡税(所得税と住民税)が課税されます。
少しでも税負担を軽減させるため、一定の要件を満たすことで受けることができる軽減税率3,000万円の特別控除の税制優遇措置を把握しましょう。

1-③. 本当に売れるか!?『共有者』がいる場合は※注意が必要です!

不動産を売却する場合、問題になるケースが多いのが『共有名義』の場合です。
相続発生後の不動産を売却したい場合、遺産分割前であれば相続人全員の合意が必要であり、 合意が得られなければ売却することは出来ません。

相続発生後は、相続人同士が揉めないためにもしっかりと話し合っておくことが大切です。
『遺言書』『家族信託』などを活用することで、円満な相続が行われることを願っております。

1-④. 査定依頼に備え、準備するべきもの!

  • 購入時の売買契約書
  • 購入時の重要事項説明書
  • 権利証(登記済権利証)登記識別情報通知書
  • 土地の実測図(確定測量図、現況測量図)
  • 建築確認通知書、検査済証、建築協定証など
  • 建築工事検査済証
  • 設計図書、仕様書、設備表など
  • 修繕履歴(修繕年月日と修繕内容、領収書など)
  • 管理規約、仕様細則、維持等の書類など(マンションの場合)
  • 総会資料(マンションの場合)
  • 各種覚書(売却後も承継される事項)

【 Step2 】マイホーム 売却時にかかる『税金』を把握する!

2-①. 売却時にかかる『譲渡所得税』と『社会保険料』について

住宅(土地・建物)などの不動産を売却することで取得する譲渡取得は、他の取得とは分離して申告する『分離課税制度』が適用され、 売却することで譲渡益が発生した場合、譲渡税(所得税と住民税)が課税されます。

また、譲渡税以外でも加入している『社会保険』によっては、保険料が大きくなる可能性があるため要注意です。

居住用財産※1を売却する場合、一定の要件(※2を満たすことで税負担を軽減する特例を受けることが可能です。

”※1の詳細をクリック”

マイホーム(「居住用財産」)を売却した場合には特例がありますが、この「居住用財産」とは税金の取り扱いでは、次のように規定されています。

  1. 自己の居住の用に供している家屋
  2. 自己の居住の用に供していた家屋で、住まなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したもの
  3. 上記1.・2.の家屋と共に譲渡されたその家屋の敷地とされていた土地・借地権
  4.  災害により滅失した1.の家屋の敷地とされていた土地等で、住まなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されたもの

この原則の大前提は、まず家屋があることです。土地を所有しているだけでは、居住用とはいえず、家屋の所有をもって初めて「居住用財産」であり、その敷地である土地も同様に取扱われるということなのです。

税理士法人東京シティ税理士事務所HPより引用
http://tokyocity.co.jp/infomation/myhome147/

”※2の詳細をクリック”
(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件全てに当てはまることが必要です。
イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(2) 売った年の前年及び前々年にこの特例の適用を受けていないこと(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)。
(3) マイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
(4) 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
(5) 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日まで(注)に売ること。
(注) 東日本大震災により滅失した家屋の場合は、災害があった日から7年を経過する日の属する年の12月31日までとなります(「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【東日本大震災に関する税制上の追加措置について(所得税関係)】」をご覧ください。)。
(6) 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
特別な関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

国税庁のHPより引用
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

2-②. 譲渡所得税の計算方法!

【 譲渡所得 】
= 譲渡収入金額※1-(取得費※2+ 譲渡費用※3)

※1:土地・建物の譲渡代金(売却代金)
※2:住宅(土地・建物)を購入するときに要した費用の合計金額から、建物の減価償却費を差し引いた金額。
住宅を購入した価格が分からない場合は、譲渡金額の5%として計算することがあります。
※3譲渡(売却)の際に、直接かかった費用です。(例:契約書に貼り付ける印紙代や仲介手数料、測量費など)

【 課税譲渡所得 】
= 譲渡所得 -(特別控除※4)

※4:居住用の財産を譲渡(売却)した場合、適用要件を満たしていることで最大3,000万円特別控除の特例などを受けることが可能です。

【 譲渡所得税額 ※5】
= 課税譲渡所得 × 税率※6(所得税・住民税)

※5:譲渡所得にかかる税率は、給与所得などの所得とは分離する分離課税が適用されます。
※6:譲渡(売却)する不動産の所有期間や用途などにより、税率は異なります。

ポイント!!
2番目の【 課税譲渡所得 】が発生しなければ、不動産を譲渡(売却)したとしても譲渡所得税は発生しません。

2-③. 『短期譲渡』!?『長期譲渡』!?『所有期間』を把握する!

所 有 期 間
長期区分 短期 長期
所有期間 5年以下 5年越10年以下
所得税 30%(30.63%) 15%(15.315%)
住民税 9% 5%
合計 39%(39.63%) 20%(20.315%)

※注意事項※

所有期間の短期・長期の区分は、税率に関わってくるため注意が必要です。
注意すべきは『譲渡日』です。
譲渡日は、譲渡した年の1月1日の日付で判断するため、実際の所有期間よりも短くなります。
しっかりと確認しましょう。

2-④. 3,000万円の『特別控除』と『軽減税率』を活用する!

通常、居住用財産を譲渡した場合、譲渡益に対しての譲渡税が発生します。しかし、一定の要件を満たした居住用財産であれば、所有期間に関係なく譲渡益から最大で3,000万円の 「特別控除」を受けることができる特例があります。(すでに、前年もしくは前々年に特例の適用を受けた場合は利用不可。)

また、軽減税率制度もあります。譲渡した年の1月1日が所有期間10年を超えている場合は、控除できない譲渡益について軽減税率を併用することが可能です。

※共有者はそれぞれで特別控除を利用できる。

3,000万円の特別控除は、共有名義の自宅を売却した場合でも適用できます。共有名義の場合、共有者はそれぞれの共有持分から算出される譲渡益に対し、特別控除を受けることが可能です。

【 Step3 】 マイホームの価格を把握する!

大切なマイホーム(資産)を売却するとなると「いくらで売れるのか?」「売却値でローン残債は返済できるのか?」など、気になることが沢山あると思います。まずは、大切な資産であるマイホームの「査定」を以来し、大まかな価格を把握しましょう。

3-①. 売却活動において重要な『査定価格』!

 売手「高く」買手「安く」と思うため、成約事例や販売事例などを把握し、市場の動向を踏まえた「目安となる価格(査定価格)」を出していただくことは大切です。不動産会社が提示する「目安となる価格(査定価格)」とは、市場へ売り出した場合、おおむね3ヶ月以内で売れるであろう価格になります。

※色々な不動産の価格(①〜④

3-②. 売出価格を話し合う!

不動産会社が提示する査定価格は、あくまでも3ヶ月以内で売れるであろう目安の価格のため、その価格を目安に売主様と相談し、販売価格を決定する流れになります。

また、宅地建物取引業法第34条の2第2項では、「宅建業者が価格について意見を述べるときは、媒介契約の種類に関係なく、その根拠を示さなければならない」と定められております。

※ 査定依頼から販売までの流れ

【 Step4 】 媒介契約の内容を把握し、契約を結ぶ!

4-①. 3種類の媒介契約の種類と特徴

4-②. 不動産業者と情報を共有する

4-③. 仲介手数料を計算する

【 Step5 】 マイホームを売り出す!

5-①. 販売活動の内容

5-②. 売主の心構えと準備しておくこと

※印象をよくするポイント

5-③.販売活動の状況報告を受ける

5-④.最終的な売買価格やその他の条件は買付証明書を頂いてから!

※付帯設備はどうする?

※契約までに準備するもの

【 Step6 】 売買契約を締結する!

6-①. 売買契約書のチェックポイント!

※買主の融資が通らない場合

※契約内容に変更が起きた場合

【 Step7 】 引渡しに備え、準備を進める!

7-①.抵当権などの抹消手続きを把握する

7-②.引渡し(退去)はいつまでに!?

7-③.権利証の紛失!対処法はある!?

7-④.物件の最終確認は引渡し前に行いましょう!!

※確認のポイント

※残金決済までに準備するもの

【 Step8 】 残代金の受領と物件の引渡し!

8-①. 残金決済と物件の引渡し

8-②.抵当権抹消などの登記手続きは司法書士へ依頼します

※権利書は処分するのか

※残金決済と引渡しの流れ

8-③.マイホーム売却後の確定申告!

※取得税や介護保険料

※確定申告へ提出する添付書類